東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)

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【レポート】仮設住宅の見守りとコミュニティ形成、いまとこれから

訪問先:NPO法人陸前たがだ八起プロジェクト
訪問日:2014年6月13日
取材者:中野圭

こんにちは、岩手の中野です!
今回は陸前高田市モビリア仮設住宅の支援に取り組むNPO法人陸前たがだ八起プロジェクトの蒲生さんにお話をお伺いしました。

―― Q.取り組んでいる地域課題は?

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震災当時、陸前高田市のモビリアというキャンプ場の支配人をしていた。震災後多くの避難者がモビリアに押し寄せてきたので、そのまま避難所として開設した。その後、避難所が解散し、そのまま仮設住宅ができた際に外部支援者から「これからだよ」という言葉がかけられた。過去の震災事例では孤独死、やりがいづくり、いきがいづくりという課題がいかに大きかったかをその時に学んだ。現在はモビリア仮設住宅団地に常駐しながらの支援を行っている。コミュニティの形成を目的とした自立支援サポートが大きな活動となっている。

今年の終わり頃から仮設を出ていく人が増えるだろうと感じている。モビリアは市内でも最後まで残る仮設団地のひとつと予想されており、今後入退去が増えるのでその点もしっかり意識しておきたい。

―― Q.どのような取り組みをされているのですか?

全般的に言えばサポートセンターの役割を果たしている。住民の相談窓口、自治会サポート、団地へのイベント受け入れ調整、現在は少ないが物資配布など。特に自立を促すためのイベントのサポートや、コミュニティ形成も兼ねる畑作業、高齢者の自主的なお茶会、手芸サークル、麻雀サークル、男の料理教室など。

今後は仮設間、地域間、在宅と仮設の溝など、いまだに埋まっていないさまざまな「溝」をつなぎ、フォローしていくことがどうしても必要になってくるので、モビリアだけの支援というわけにはいかないと感じている。その溝を埋める作業が広い意味で本質的なまちづくりにつながると感じている。

―― Q.どの様なメンバーで取り組まれているのでしょうか?

常勤で4名のスタッフ、理事が代表含め5名、監事1名。中越防災安全推進機構やNICCOといった外部からの応援者に支えられた部分も大きい。

―― Q.困っていることはありますか?

地域として、復興の全体感としては落ち着いてきたと思うが、NPO/市民活動セクターの活動がまだ求められている中にあって、その活動環境はまだ整っているとは言えず、不安定な部分がある。自分たちの組織もそうだし、地域としても、この陸前高田でしっかりとした立ち位置を作り出していかなければならない。

―― Q.復興を応援してくれる人達にお願いしたいこと、伝えたいことはありますか?

復興というのは被災地沿岸多様だが、まだ復興支援は必要だと感じている。その中で今後一番危惧しているのは人口流出。震災以前から進行していたこの課題は、震災を経て一気に進んでいる。もちろん被災地だけの課題ではないし、簡単な解決策があるわけでもないので、全国の皆さんのお知恵やお力をぜひ貸してほしいと感じている。

<了>


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2014年7月 2日 09:02