東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)

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【レポート】石巻・仮設住民による復興住宅に向けてのコミュニティづくり

訪問先:石巻仮設住宅自治連合推進会
訪問日:2014年6月12日
取材者:池座剛

今回は応急仮設住宅の仮設自治会・住民の立場で災害公営住宅移行時の地域コミュニティ形成について取り組まれている「石巻仮設住宅自治連合推進会」(石巻市)の内海さん(事務局長)にお話をお聞きしました。内海さんをはじめ皆さまにはいつも大変お世話になっております。

―― Q.取り組んでいる地域課題は?

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2011年12月に石巻の仮設住宅の自治会長が集まり孤独死防止や快適な住民生活やできるだけスムーズに生活再建ができるよう石巻仮設住宅自治連合推進会(以下、自治連)を結成しました。今後重要な課題としては、仮設住民が災害公営住宅や各地域に移転した時に、移転先で円滑に新しい生活を送ることができるかという点が1つ、また仮設住宅から人が徐々に出ていく中で残る人たちの暮らしの問題です。

―― Q.どのような取り組みをされているのですか?

災害公営住宅や復興住宅周辺でのコミュニティ形成については、まず仮設住宅と借り上げ住宅の住民(自治会長を中心に)復興住宅に移った後のコミュニティ形成への関わり等についてアンケート調査を実施しました(対象133団地、復興公営住宅入居者149戸、復興住宅建設予定地区町内会計4地区)。

また、調査以外にも移転先の住民と交流を開始しています。例えば、復興住宅の建設が予定されている石巻市の市役所大通り(駅周辺地区)では、周辺の4つの町内会が集まり土地区画整理事業を進めてゆく上で、市役所大通り沿い全体の「まちづくりのビジョン」を地域自ら考えるために、地域住民や商店会、商店主を中心に「市役所大通り街並み委員会」をつくり1年以上活動を続けています。この度の復興住宅の移転にあたり、自治連も委員会に参加し、復興住宅に移った人が地域コミュニティに円滑に参加していけるよう協議しており仮設住宅住民の思いを伝えたところ一つの地域住民として受け入れたいと仰ってくれました。

具体的には今後、食品関連企業と連携し料理教室を展開し石巻の仮設住民や復興住宅に移る住民、地域住民とが顔を合わせられる機会をつくることを予定しています。また、復興住宅への入居者が決まった時点で行政説明会が開催されるのですが、その際に交流会を実施することも考えています。これまで自治連では、仮設住宅の住民同士の交流をはかる有効な手段としてカラオケ大会を実施してきましたが、これからは仮設住宅住民と復興住宅住民との合同カラオケツアーなども展開していきたいです。

上記の取り組みに加え、復興住宅に設置される集会所を住民および周辺住民が使えるように市役所、住民団体などと工夫していく予定です。尚、残された仮設住宅のコミュニティ維持に関しては、理事会の頻度が月1回から隔月になるのでコミュニケーションをどう密にとっていくかが課題です。

―― Q.困っていることはありますか?

団体の活動を支える事務局スタッフ(1名)を募集しています。石巻に関係のある人を希望しています。

仮設住宅の多くの団地で自治会が解散しはじめており、自治機能をどう補てんしていくかで悩んでいます。これまでの見守り機能をあきらめ、これからは連絡員を置いて対応することも考えています。

―― Q.復興を応援してくれる人達にお願いしたいこと、伝えたいことはありますか?

今回県から頂戴した補助も自己負担分の2割は皆さまからの寄付(会費)でまかなうことができました。これからも活動は続きますので応援をお願い致します。自分達の活動を発表していき被災地域住民の状況を伝えていく場や寄付を集める場を紹介して頂けると有難いです。引き続きよろしくお願い致します。

<了>


【関連情報】
(URL)石巻仮設住宅自治連合推進会 http://ishinomaki-jichiren.jimdo.com/
【問い合わせ先】
この記事への問い合わせは、JCNまで。お問合せ

2014年7月15日 16:13